体細胞分裂でDNA量が2倍になるのはいつ?

問題

体細胞分裂において細胞内のDNAが2倍にふえるのはどの時期でしょうか?1つ選んでください。

①G1期 ②S期 ③G2期 ④分裂期

解説

「細胞分裂」とは「1つの細胞が2つに分かれる現象」のことです。

「細胞分裂」には「体細胞分裂」「減数分裂」の2種類があります。

「減数分裂」は子孫を残すための生殖細胞をつくる特殊な分裂であり、一般的に「細胞分裂」というと「体細胞分裂」のことを指す場合が多いです。

 

「体細胞分裂」はかんたんにいうと「もとの細胞と同じ細胞が2つできる細胞分裂」です。

話はシンプルですが、ここで1つ問題があります。

体細胞1つ1つにふくまれる「DNAの量」および「染色体の数」は全て同じはずです。

しかし、細胞分裂によって2つの細胞に分かれるならば、例えばもとの細胞にふくまれるDNAが100であれば、1回分裂するとDNAが50の細胞が2つできるはずです。

さらにもう1回分裂するDNA量は25ずつになってしまうはずです。

もちろん、実際にそうはなりません。

もともと細胞のDNA量が100ならば、体細胞分裂後の2つの細胞にふくまれるDNA量はそれぞれ100ずつとなります。

なぜこのようなことが可能なのでしょうか?

 

正解は、DNAを「複製」することより体細胞分裂前にDNA量を2倍に増やしているからです。

つまりDNA量は100から一時的に200に増え、分裂後に再び100となります。

細胞は、体細胞分裂を行っている「分裂期」と、行っていない「間期」の2つの分けることができます。

さらに分裂期は「前期」「中期」「後期」「終期」に分けられます。

一方の「間期」はさらに「G1期」「S期」「G2期」の3つに分けられます。

「G1期」は「DNA合成準備期」、「S期」は「DNA合成期」、「G2期」は「分裂準備期」です。

そして名前の通り、DNAが合成されるのは「S期」となります。

 

まとめると、細胞は

間期[G1期→S期→G2期] →分裂期[前期→中期→後期→終期]  →間期→・・・

をくりかえしています。

この細胞分裂のループの1周分を「細胞周期」といいます。

つまりDNAが合成される「S期」が完了してから、細胞が完全に2つに分かれる分裂「終期」が完了するまでの間は、細胞内に2倍の量のDNAをもつということになります。

 

余談ですが、実際には全身の細胞のうち体細胞分裂を行っているのはごく一部の細胞のみです。

ほとんどの細胞は、この「細胞周期」からはずれて組織の細胞となっています。

ちなみに細胞分裂のループからはずれた細胞は「G0期」とされています。

解答

②S期