問題
次のうち呼吸の場となる細胞小器官はどれでしょうか?
①葉緑体 ②リボソーム ③ゴルジ体 ④ミトコンドリア
解説
私たちのからだはどの組織、器官も「細胞」で構成されています。
そして「細胞」の中にはさまざまな「細胞小器官」が存在しており、それぞれが異なる役割を担っています。
細胞小器官のうち「呼吸」の役割を担っているのが「ミトコンドリア」です。
「呼吸」といえば「息をすってはいて」のイメージが強いと思いますが、これは厳密には「呼吸」のうち「外呼吸」とよばれるものです。
これに対して「細胞が行う呼吸」のことを「内呼吸」とよび、この「内呼吸」を行っているのが「ミトコンドリア」です。
具体的には「外呼吸」と「内呼吸」にはどのような違いがあるのでしょうか?
「内呼吸」も「外呼吸」と同様に酸素(O2)を消費し、二酸化炭素(CO2)を排出するのですが、全身に存在する細胞は直接酸素を手に入れることができません。
そこで「外呼吸」の出番です。
「外呼吸」によって全身の細胞が必要な酸素をまとめて「肺」がとりこみ、血液にのせて全身に酸素を届けるのです。
そして、細胞を行われる「内呼吸」で発生した二酸化炭素を、同じく血液にのせて全身の細胞からまとめて回収して「肺」から「外呼吸」によってからだの外へ排出するのです。
ちなみに全身に酸素を届けるのは血液中の「赤血球」という成分です。
ところで、そもそもなぜ「呼吸」を行う必要があるのでしょうか?
それは「エネルギーを得るため」です。
からだのあらゆる臓器や器官が活動するためにはエネルギーが必要です。
そして、そのエネルギーを得るために細胞の中でミトコンドリアが呼吸を行っているのです。
ちなみに酸素を使う呼吸の化学反応式は
C6H12O6(グルコース)+O2(酸素)→6H2O(水)+6CO2(二酸化炭素)+エネルギー
であり、すなわち「グルコース(ブドウ糖)を酸素を使って『分解』あるいは『燃焼』させることによりエネルギーと取り出し、水と二酸化炭素が発生する反応」といえます。(※実際の反応は複数の段階に分かれており、もっと複雑なしくみですが全体像としてはこの式で表すことができます。)
なお、エネルギーは「ATP」という単位で表されます。
余談ですが、植物が行う光合成の反応式は
6H2O(水)+6CO2(二酸化炭素)+光エネルギー→C6H12O6(グルコース)+O2(酸素)
であり、すなわち「光エネルギーを利用して水と二酸化炭素からグルコースを合成し、酸素が発生する反応」といえます。
呼吸の全く逆の反応ですね。
本当に自然はよくできていると感心します。
ちなみにリボソームをふくむ他の細胞小器官の役割は以下の通りとなります。
核:細胞の中心に1つ存在する。遺伝情報を保持する「染色体」と、リボソームを構成するr-RNA(リボソームRNA)をつくる「核小体」に分かれる
ミトコンドリア:呼吸の場となる
葉緑体:光合成の場となる ※植物細胞にのみ存在する
ゴルジ体:合成されたタンパク質を加工し、細胞外に分泌する
解答
④ミトコンドリア