Q、5歳になる子どもが夜遅くまで動画をみてなかなか寝てくれません。
何かいい方法はありますか?
良質で十分な時間の睡眠を取ることは子どもの成長、発達にとって重要です。
今回は子どもの睡眠の質を上げ、睡眠不足を改善する方法を紹介します。
睡眠は個人差が大きい
まず大前提として、睡眠は個人差が非常に多いです。
子どもでも大人でもその人にとってちょうどいい適切な睡眠時間は異なります。
平均的には、1日の睡眠時間は新生児では約16~20時間、1歳~3歳では約11~12時間と言われていますが、それよりはるかに短い子もいます。
また、0歳のうちに夜の間ほとんど起きなくなる子もいれば、1歳を過ぎても3時間ごとに目を覚ます子もいます。
つまり、年齢からみて標準的な睡眠でなくても必ずしも異常であるとは限りません。
しかし、2歳を過ぎても極端に睡眠時間が短い場合は、成長・発達に良くない影響を与える可能性もあります。
また、睡眠時間が短くなったり、睡眠の質が低下する何らかの原因があることもあります。
もし生活習慣で改善できる点があれば、試してみることをおすすめします。
睡眠の質を改善する方法
睡眠の質を上げ、睡眠不足を改善する方法は、
①長時間テレビやスマホを観ない
②朝のうちに外出するか日光をあびる
③日中しっかりと運動をする
④お昼寝の時間を見直す
の4つです。
①長時間テレビやスマホを見ない
0歳~5歳を対象にした研究では、いずれの年齢でもテレビやスマホを時間が長いほど睡眠時間が短くなると報告されています。
長時間のテレビ、スマホは集中力の低下など他の問題の原因にもなると言われており、長くても1日2時間以内、できれば1時間以内にすることがおすすめです。
特に寝る前にテレビ、スマホを見る睡眠の質を下げることがわかっており、さらに寝室にテレビがあるだけでも睡眠の質が下がることがわかっています。
②朝のうちに外出するか日光をあびる
覚醒状態から睡眠へと誘導するメラトニンというホルモンは、朝起きてから14~15時間程度で分泌されます。
仮に一日日光を浴びなかったとしてもメラトニンは分泌されますが、朝日光を浴びることによって体内時計がリセットされて、より規則正しく分泌されるようになります。
日光といっても直射日光である必要はないので、曇りの日や室内でカーテンを開けるだけでも効果が期待できます。
毎日同じ時間に保育園や幼稚園に通っている子では特に意識する必要はありませんが、短時間でも効果があるのでまだ通っていない子で室内にこもりがちになっている場合はおすすめです。
ただし、生後6か月くらいまではまだ体内時計が十分に機能してないためあまり効果は期待できません。
③日中しっかりと運動する
0歳~5歳を対象に行われた研究では、3~5歳の子では日中に十分な運動を行った子ほど睡眠時間が長くなり、夜間の目覚めが少なくなりました。
1~2歳の子では運動によって睡眠時間は変わりませんでしたが、夜間の目覚めが少なくなりました。
また、1~2歳では日中座っている時間も長いほど夜間の目覚めが少なくなりましたが、1~2歳の子の座っている時間を調整することは現実的に困難なので参考程度でだいじょうぶです。
④お昼寝の時間を見直す
未就学児では、保育園でも自宅でもお昼寝をすることが多いと思います。
お昼寝には夜間の睡眠時間を補ったり、午前中の疲れを回復させるなどの役割があり多くの子にとってメリットがあります。
しかし、裏をかえすと夜間だけでも十分な睡眠を取れていたり、体力がありあまっている子にとっては必須ではありません。
むしろ、お昼寝を取りすぎると夜眠くなりにくくなったり、眠りが浅くなってしまう可能性もあります。
くりかえしになりますが、睡眠には個人差が大きく適切な睡眠時間は1人1人異なります。
同じ学年であっても長いお昼寝が必要な子もいれば全く必要のない子もいて当然なのです。
「以前は寝つきがよかったのに、寝つきが悪く時間が遅くなった」という子は、本人にとってはお昼寝が長すぎている可能性もあります。
1度お昼寝の時間を短くしてみたり、園の先生に相談してみてはいかがでしょうか?
以上、年齢に応じて取り入れられることだけでもぜひ試してみてください
まとめ
・同じ年齢でも睡眠時間は個人差が大きいので、子どもに適した睡眠時間を見極める
「子どもの睡眠の質を上げる方法」
①長時間テレビやスマホを見ない
②朝のうちに外出するか日光をあびる
③日中しっかりと運動する(3歳以上)
④お昼寝の時間を見直す