失敗しない学習塾の選び方は?

Q、塾に通おうと考えているのですが、どの塾を選べばいいかわかりません。

  いい塾の見分け方はありますか?

 

学習塾へ通うきっかけは人それぞれだと思いますが、いざ通ってみたいと考え調べてみると思った以上にたくさんの塾がありびっくりします。

せっかく通うなら成果のでる「いい塾」に通いたいですが、「いい塾」かどうかはどのように見極めればいいのでしょうか?

実際は塾や担当講師との相性の面も大きいため、実際に通ってみなければわからない部分も残念ながらありますが、入塾前にチェックできることがあれば失敗するリスクを減らすことができますね。

そこで今回は「失敗しない学習塾の選び方」を紹介します。

実力、成績が上がる学習塾の特徴は?

いきなりですが塾を選ぶときに最も重要な点を紹介します。

この点と比べたらこのあと紹介するさまざまなチェック項目は全て枝葉といえるくらい重要なことです。

言いかえると、ここがしっかりしている塾を選べば成果がでる可能性は格段に上がります。

 

実力、成績が上がる塾の最大の特徴は「自分ひとりで勉強できるようにしてくれる」ことです。

基本的なことですが、「考え、理解し、自分の力で解けるようになる」ことで知識が定着し、実力は上がります。

もちろん塾の授業でわかりやすく説明してもらうことで、より効率よく学習することができます。

この点においてやはり塾へ通うメリットは大きいと考えます。

その一方で塾で授業を受けている時間は学習全体のごく一部であり、残りの大部分は「自分ひとりで勉強する時間」なのです。

すなわち、忙しい中この「自分ひとりで勉強する時間」をいかに確保し、その時間を充実した実りのある時間にできるかどうかが実力、成績アップのカギとなるのです。

塾や講師は「知識や問題の解き方、高得点を取るテクニックなどを教える」役割、例えるなら「コーチ」のような役割が重視されがちですが、

それと同じかそれ以上に重要なのは「生徒が自分ひとりで勉強をすすめ、また続けられる」ような仕組みをいっしょに考えたり、声かけをしたりといった、例えるなら「監督」や「マネージャー」的な役割であると私は考えています。

 

そこで入塾前の面談では「子どもたちが自分ひとりで学習するためにどのような工夫をされていますか?」と聞いてみてください。

ここで言葉につまったり、「宿題を出しています」程度の回答しか得られなければ、あまりその塾はおすすめできません。

反対に熱意をもって具体的な工夫や方法を説明してくれたならば、実力が上がる塾である可能性が高くなります。

入塾を考えている全ての塾にこの点を確認することをおすすめします。

塾に通う目的を明確にしておこう!

いうまでもありませんが、「塾に通うこと」自体が目的の人はいません。

大切なのは「塾に通った結果どのような成果を得られるか」ですね。

しかし、塾によって、さらには教室によって力を入れている分野、得意な分野は異なります。

塾のカリキュラムは、おおむね「受験対策」を重視したコースと「日常学習の補修」を重視したコースに分けることができます。

もちろん、受験対策も日常学習の延長線上にあるため、完全に2つに分けられるものではありません。

他にも、「特に公立高校受験対策に強い塾」「中高一貫校生の先取り学習に強い塾」「数学の実力を上げることに特化した塾」などより細かく分けることもできます。

このようなちがいは、塾自体のカラーはもちろん教室がある地域によっても異なります。

例えば学年の9割が中学受験をする地域と、学年の9割が地元の公立中学に進学する地域では、塾が求められることが異なるのは当然ですね。

塾もビジネスなので需要によって商品も変わります。

 

注意が必要なのは、需要のかたよりはあって当然であるにも関わらず、入塾案内をみると「受験対策コースと補習コースの両方ともがあります」とだけ書かれている場合があることです。

よく確認してから入塾しないと、受験クラスが自分一人だけだったという事態が起こってしまうかもしれません。

「人数が少ない分手厚く対応してもられる」という考えもできなくはないですが、基本的に顧客が少なくなればサービスの質を維持することは困難なのでやはりおすすめしません。

 

以上の理由から、塾を選ぶ前に「通う目的を明確にする」ことをおすすめします。

例えば、「希望の高校に合格したい」「定期テストで英語と数学の得点を20点ずつ上げたい」「大学受験にむけて基礎固めをしたい」「数学だけどんどん高度な内容を勉強したい」などです。

そして、その希望をはっきりと塾に伝えた上で、塾のカラーや反応をみて判断してはいかがでしょうか?

集団指導と個別指導ではどちらがいい?

しっかりと成果を出すためには、適切な授業形態を選ぶことも重要です。

これは、どちらの方が優れているということではなく、「自分にとってどちらが合っているか?」という問題です。

授業形態で大きく分けると「集団指導」と「個別指導」の2種類があります。

 

まず「集団指導」とは「講師1人が複数人に向けて授業する」形式の指導です。

メリットは、「学校の授業と同じような形式なので慣れている」、「同じ目的をもった近いレベルの仲間と学ぶことができる」などがあげられます。

一方でデメリットは、「授業中は自分のペースに合わせて学習できない」「授業中に質問がしにくい」「欠席するとおいつくのが大変」などがあげられます。

 

「個別指導」とは「講師1人に生徒1~3人に対して授業する」形式の指導です。

「集団指導」とは異なり、1対2や1対3であっても基本的にそれぞれ異なる内容の授業となります。

メリットは、「自分に合ったペースとカリキュラムで学習できる」「わからないところはすぐに質問できる」「集団指導より曜日や時間が選びやすい」などがあげられます。

デメリットは、「集団指導と比べて講師の質にばらつきがでやすい」「集団指導と比べて授業料が高くなりやすい」などがあげられます。

小人数になるとその分多くの講師が必要になり、人件費がかかるため授業料が高くなるのは仕方ありませんね。

また、落とし穴としては1対2や1対3の指導でも授業内容がそれぞれ異なるため、他の生徒に対応している間は基本的に演習時間となります。

つまり、90分授業だとすると、単純計算で1対2では45分、1対3では60分は演習時間となるため、より割高に感じるかもしれません。

 

ざっくりわけると、学校と同じ授業形式でも学習しやすい人は「集団指導」、学校と同じ授業形式ではついていけなかったり集中しにくい人は「個別指導」がおすすめです。

私が勤務していた学習塾は集団指導と個別指導の両方があったため、併用している子も多くいました。

入塾前に体験授業を受けることができる塾が多いと思いますので、どちらが合っていそうかじっくりと検討してみてください。