通塾以外の選択肢とは?
ここまでは「通塾する場合」の塾の選び方を紹介してきましたが、最後に「通塾しない場合の選択肢」を紹介します。
以前は「通塾しない場合の選択肢」は、主に「独学」か「家庭教師」の2つでした。
もちろんこの2つの方法はいまでも有効ですが、近年ではそれ以外の新しい方法も選べるようになりました。
①独学
まず、「独学」は合う人にとっては最強の学習法です。
前述したように勉強の大部分は「自分ひとりで学習する」時間であり、「考え、理解し、自分の力で解けるようになる」ことで知識は定着します。
自分で教科書や参考書を読んで理解し問題演習をくりかえす学習法は、自分のペースで学習することができる上に、塾で授業を受けるはずの時間も全て使うことができるため最も効率の良い学習法でもあります。
ただし、自力で理解できなかったときや解答解説を読んでもわからない問題にぶつかったときに質問できる相手をみつけておく必要があります。
また、理解の仕方や学習の方向性がまちがっていたときに修正するのが遅くなったり、受験についての情報が入りにくくなるリスクもあるためその点は注意が必要です。
受験別でざっくり分けると、
大学入試は、入試のしくみも比較的わかりやすく、市販の参考書や問題集もかなり充実しているため独学でも十分対応可能です。
高校入試は、公立か私立か、一般入試か推薦かでも対策が大きく異なり、また内申点も考慮する必要があり、学習自体は独学でできる人でも「作戦」などは受験のプロのアドバイスをもらった方がリスクは少ないと考えます。
②家庭教師
家庭教師は、講師が自宅に来て教えてくれる形式です。
もちろん1対1での対応となるため個別指導と同じメリットが得られ、さらに通塾にかかる時間も必要なく、自宅という慣れた環境で学習できます。
そのようなメリットを得たい人にとってはおすすめの形式です。
その一方で、自宅だと「勉強空間」をつくりにくく集中できない人も少なくありませんのでそのような人にはおすすめしません。
また、個別指導同様に授業料が割高となりやすいことと、講師の質にばらつきがでやすいデメリットもあります。
③オンライン指導、映像授業
近年のインターネットの発達に加え、新型コロナウィルス流行の影響もあり、新しい形の学び方を選ぶ人が増加しています。
それが「オンライン指導」と「映像授業」です。
最後にこの2つを紹介します。
いずれもインターネットを使うことでパソコンやスマホ、タブレットで指導や授業が受けられる形式です。
家庭教師と同じように自宅にいながら指導を受けられるメリットがあります。
「オンライン指導」は通塾と同じように集団授業形式、個別指導形式、質問、面談など塾によってさまざまな種類があります。
「映像授業」もパソコンやスマホ、タブレットで授業を受ける形式ですが、塾側からと生徒側からの両方向のコミュニケーションができる「オンライン授業」と区別して紹介します。
「映像授業」は塾が配信している場合ももちろんありますが、YouTubeで無料配信されているものもあります。
塾が配信している有料のコンテンツも「通塾型」や「家庭教師」と比べると、授業料が安く設定されている場合が多く、上手に使えばコストパフォーマンスが非常に高い学び方です。
映像授業、オンライン授業共通のデメリットとしては、自宅で学習する場合に「勉強空間」をうまくつくれないと学習効果が下がってしまう可能性がある他、
パソコンやスマホ、タブレットというメールやゲーム、サイトの閲覧ができるツールを学習に使う上で注意が必要となる点ことなどがあげられます。
例えば、「メールの通知をオフにする」、「映像授業専用として使うタブレットを用意する」など集中力がとぎれない工夫が必要です。
また、年齢にもよりますが、長時間液晶画面を見続けることによる目の疲労や睡眠への影響も指摘されており、時間を制限するなどの対応が必要です。
オンライン指導、映像授業はありかなしか?
これらのデメリットだけではなく、そもそも子どもに対するオンライン指導や映像授業については賛否あります。
しかし、個人的にはデメリットやリスクを慎重に判断する必要はあるとは思いますが、「新しい学びの形」としては非常に有効な手段であると思います。
まず、シンプルに「学び方」の選択肢は多い方が、自分に合った学習法がみつかる可能性が高くなります。
例えば「友達といっしょだと集中できない人」「自分のペースで勉強したいけど、授業も受けたい人」「極力会話や外出をしたくない人」など
これまで「がまんして通塾や家庭教師」か「独学」かの選択をせまられていた人にとっては、学びの大きな助けとなります。
また、「地域による学びの機会の差が少なくなる」ことは非常に大きなメリットであると私は考えています。
例えば、自宅から片道5分の場所に塾がある人と片道1時間の場所に塾がある人では、同じ授業を受けられたとしても自由に使える時間に約2時間の差がでてしまいます。
あるいは、同じ塾や予備校でも人気講師が授業している教室は基本的に大都市に集中しています。
特に大学受験では全国各地の高校生が集まって同じ大学の試験を受けるため、地域差は意外と大きな問題です。
実際、私が通っていた予備校も本部校では夏休みを利用して地方から人気講座を受けに来る高校生も多かったようです。
ただし参考までにお話しすると、私も普段通っていない校舎に講習を受けに行ったことがありますが、「この講座を受けたら合格可能性が上がる」ような講座はないと感じました。あくまで個人的な感想です。
話をもどすと、オンライン授業や映像授業は、インターネット環境があれば全国どこからでも同じ授業を受けることができます。
少なくとも移動時間による有利不利はなくなります。
もちろん、「切磋琢磨する仲間」や「質問や相談のしやすさ」など「通塾型」でないと得られないものもあります。
学習塾で働いていた立場から申し上げると、「教室や授業の空気」は講師と生徒が場を共有することで生まれる唯一無二のものであり、オンラインでは決して再現できないものであると考えています。
その空気によって授業中の話題が変化し、決められたカリキュラム以外の周辺知識を得られることもあったり、直接顔を合わせ場を共有することで形成される信頼関係や連帯感は「通塾型」特有のものであると考えます。
「学校」でも「家庭」でもない「学びの場」という価値を提供してくれる「塾」は今後も残り続けてほしいと願っています。
ただし、それらに大きな「価値」を感じない人がいるのも当然です。
そのような人は「通塾型」に固執する必要はありませんので、積極的にオンライン授業、映像授業を検討してみることをおすすめします。
あるいは、通塾もするけど、通塾のない日や苦手な分野だけ映像授業を活用するという方法もあります。
「オンライン指導」「映像授業」の需要は今後ものびつづける可能性が高いですが、従来の「通塾型」に取ってかわるものではなく、それぞれ異なる価値を提供してくれるものであると考えています。
上手に使い分けることでより効果的に学習できるかもしれません。
個人的な予測としては、通塾型の塾はこれまで以上に授業以外の学習や過ごし方を含めた「監督」「マネージャー」的な役割が求められるようになると考えています。
まとめ
以上、今回は「失敗しない塾の選び方」を紹介しました。
自分に合った塾を選ぶことができれば、成績がアップしたり合格の可能性が高くなるだけでなく、その後の人生にもいい影響を与えるかもしれません。
みなさんが自分に合う塾や講師に出会えることを心から願っています。
・実力、成績が上がる塾の特徴は「ひとりで勉強できるようにしてくれる」こと!
・塾を選ぶ前に「塾に通う目的」を明確にしておこう!
☆集団指導のメリット、デメリット
メリット⇒「学校の授業と同じような形式なので慣れている」、「同じ目的をもった近いレベルの仲間と学ぶことができる」など
デメリット⇒「授業中は自分のペースに合わせて学習できない」「授業中に質問がしにくい」「欠席するとおいつくのが大変」など
☆個別指導のメリット、デメリット
メリット⇒「自分に合ったペースとカリキュラムで学習できる」「わからないところはすぐに質問できる」「集団指導より曜日や時間が選びやすい」など
デメリット⇒「集団指導と比べて講師の質にばらつきがでやすい」「集団指導と比べて授業料が高くなりやすい」など
〇入塾前のチェック項目
①授業日以外にも質問できるか?
②自習室はあるか?
③進学実績は?
④塾長、教室長の熱意は?
⑤講師の質は?
⑥授業料は?
⑦通いやすさは?
・オンライン授業や映像授業は上手に使えば、より効果的・効率的な学習が可能!