問題
「急に暗くなったとき」と「明るくなったとき」では、早く目が慣れるのはどちらでしょうか?
解説
暗いところから急に明るいところに出たとき、はじめはまぶしくてよく見えませんが、だんだんとまぶしくなくなります。
反対に明るいところから急に暗いところに入ると、はじめは真っ暗で何もみえませんが、だんだんと目が慣れて見えるようになります。
これらはそれぞれ「明順応」「暗順応」とよばれる現象です。
それではこの「明順応」と「暗順応」ではどちらが速やかに行われるのでしょうか?
「明順応」と「暗順応」には「ロドプシン」という物質が深く関わっています。
まず急に暗い場所に入ったときに起こる「暗順応」は、からだの中で「ロドプシン」がつくられることで起こります。
ロドプシンが増加すると、視覚に関わる細胞「視細胞」の光への反応性が高くなるため、暗い環境でも見えやすくなります。
反対に急に明るいところにでたときに起こる「明順応」は、からだの中で「ロドプシン」が分解されることで起こります。
ロドプシンが分解されて減少すると、視細胞の光への反応性が低くなるため、明るい環境でもまぶしくなりにくいのです。
そして、ロドプシンをつくるよりも、ただ分解するだけの方が圧倒的に速く行うことができます。
以上から、早く目がなれるのは「明順応」が必要な「急に明るくなったとき」となります。
ちなみに「暗順応」が30~60分かかるのに対し、「明順応」は数分で完了します。
なお、ロドプシンをつくるためにはビタミンAが必要となるため、ビタミンAが不足すると夜間に見えにくくなる夜盲症(鳥目)になるおそれがあります。
「ビタミンA」が目に良いというのは1度は聞いたことがありますね。
解答
急に明るくなったとき