「消化」と「吸収」のしくみは?

3大栄養素の消化と吸収:①糖質(炭水化物)

各栄養素(糖質、タンパク質、脂質)は消化管を通りぬける間に消化液という液と混ざり合い分解されます。

消化液にはさまざまな種類があり、それぞれつくられる場所、放出(分泌)される場所、分解する栄養素が異なります。

糖質(炭水化物)の消化の流れは以下の通りです。

 

でんぷん(アミロース、アミロペクチン)→[だ液、すい液(アミラーゼ)]→麦芽糖(マルトース)など→[小腸(マルターゼ)]→ブドウ糖(グルコース)

乳糖(ラクトース)→[小腸(ラクターゼ)]→ガラクトース+ブドウ糖(グルコース)

ショ糖(スクロース)→[小腸(スクラーゼ)]→ブドウ糖(グルコース)+果糖(フルクトース)

 

まず、かんたんに糖質の種類について説明します。

最終的に小腸で吸収される糖はブドウ糖(グルコース)などです。

ブドウ糖(グルコース)は最もシンプルな構造の糖であり、「単糖」というグループに分類されます。

「単糖」には他にも果糖(フルクトース)、ガラクトースなどがあります。

そして「単糖」が2つつながってできているのが「二糖」というグループです。

つながる単糖類の組み合わせによってなまえが変わります。

例えば、ブドウ糖(グルコース)+果糖(フルクトース)で砂糖の主成分でもあるショ糖(スクロース)、ガラクトース+ブドウ糖(グルコース)の乳糖(ラクトース)、ブドウ糖(グルコース)+ブドウ糖(グルコース)の麦芽糖(マルトース)などです。

そしてさらに多くの種類がつながってできている糖質が多糖類です。

私たちの主食としているごはんやパンなどに多くふくまれているでんぷん(アミロース、アミロペクチン)が最も有名です。

 

食べものにはそのまま吸収できるブドウ糖(グルコース)だけでなく、二糖類や多糖類が多くふくまれているためこれらをブドウ糖(グルコース)の状態まで分解する必要があります。

そこで登場するのが「消化液」です。

「消化液」の中には「消化酵素」というタンパク質がふくまれており、この消化酵素が栄養素を分解してくれます。

ただし、消化酵素は好き嫌いが激しく、特定の物質(基質)しか分解してくれません。

例えば、でんぷんを分解するアミラーゼはタンパク質や脂質はもちろん、ショ糖(スクロース)や乳糖(ラクトース)は分解できません。

ちなみにこの酵素と基質の1対1の関係性を「基質特異性」とよばれ、しばしば「かぎとかぎ穴」に例えられます。

 

それでは本題です。

まずでんぷん(アミロース、アミロペクチン)はだ液やすい液にふくまれるアミラーゼという消化酵素によって麦芽糖(マルトース)へ分解されます。

だ液はだ液腺という付属器官、すい液はすい臓でそれぞれつくられ、分泌されます。

麦芽糖(マルトース)はさらに小腸でマルターゼという消化酵素によってブドウ糖(グルコース)へ分解されます。

小腸は全ての栄養素の消化に関わりますが、「腸液」としてではなく小腸の表面自体にさまざまな消化酵素がふくまれています。

牛乳や乳製品に多くふくまれる乳糖(ラクトース)は小腸でラクターゼという消化酵素によってブドウ糖(グルコース)へ分解されます。

砂糖の主成分であるショ糖(スクロース)は同じく小腸でスクラーゼという消化酵素によってブドウ糖(グルコース)へ分解されます。

3大栄養素の消化と吸収:②タンパク質

つづいてタンパク質の消化の流れは以下の通りです。

 

タンパク質→[胃液(ペプシン)][すい液(トリプシン、キモトリプシン)]→オリゴペプチド→[腸液(ペプチダーゼ)]→アミノ酸

 

タンパク質は、グリシン、チロシン、グルタミン酸などのさまざまな種類の「アミノ酸」がたくさん(約50個以上)つながってできています。

そしてアミノ酸が少数(2個~約50個)つながっているものを「ペプチド」とよんでいます。

特に2~10個つながってできているものを「オリゴペプチド」とよんでいます。

タンパク質の消化は、アミノ酸の状態に分解するまで行われます。

 

タンパク質はまず、胃液にふくまれるペプシン、そしてすい液にふくまれるトリプシン、キモトリプシンという消化酵素によってオリゴペプチドまで分解されます。

胃液や胃でつくられ分泌され、すい液はすい臓でつくられ分泌されます。

そしてオリゴペプチドは小腸でペプチダーゼによってアミノ酸へ分解されます。

3大栄養素の消化と吸収:③脂質

さいごに脂質の消化の流れは以下の通りです。

 

中性脂肪(トリグリセライド)→[すい液(リパーゼ)]→モノグリセライド、脂肪酸

 

脂質はモノグリセライドと脂肪酸まで分解されて吸収されます。

モノグリセライドとはグリセリンに脂肪酸が1つだけくっついている状態です。

一方で食べものに多くふくまれるトリグリセリドは、グリセリンに脂肪酸が3つくっついている状態です。

つまり、トリグリセライドから脂肪酸を2つひきちぎればモノグリセライドになります。シンプルですね。

ちなみに、「モノ」は「1つ」の意味で「トリ」は「3つ」の意味です。

「モノラル」「モノクローム」「トリプル」「トリオ」など日常的にも使いますね。

中性脂肪(トリグリセライド)はすい液にふくまれるリパーゼという消化酵素によってモノグリセライドと脂肪酸へ分解されます。

胆汁酸は消化酵素をふくんでいませんが、脂質の消化や吸収を助けます。

胆汁酸は肝臓という付属器官でつくられ、胆のうという付属器官へたくわえられ、胆管を通って十二指腸内に分泌されます。

 

以上が消化の流れです。

消化によってできたブドウ糖(グルコース)などの単糖類やアミノ酸、モノグリセライドと脂肪酸は小腸で吸収され血管(毛細血管)に入り、

脂質の一部は同じく小腸で吸収されますが血管ではなくリンパ管に入ります。

そしてそれぞれ血液やリンパ液に乗って全身に運ばれるのです。

以上が消化と吸収のくわしいしくみとなります。

まとめ

・食べたものは、消化管を通る間に「消化」によって細かく分解され「吸収」されることで、はじめてからだが利用することできる!

 

「消化」「吸収」の全体像

口から入った食べものはそしゃくされ、だ液と混ざる

②食道を通り胃に入り、胃液と混ざる

③小腸に入り、すい液、胆汁と混ざる

④分解された栄養素が小腸で吸収される

⑤大腸で水分が吸収される

⑥便として肛門から排出される

 

消化のしくみ

①糖質

でんぷん(アミロース、アミロペクチン)→[だ液、すい液(アミラーゼ)]→麦芽糖(マルトース)など→[小腸(マルターゼ)]→ブドウ糖(グルコース)

乳糖(ラクトース)→[小腸(ラクターゼ)]→ガラクトース+ブドウ糖(グルコース)

ショ糖(スクロース)→[小腸(スクラーゼ)]→ブドウ糖(グルコース)+果糖(フルクトース)

②タンパク質

タンパク質→[胃液(ペプシン)][すい液(トリプシン、キモトリプシン)]→オリゴペプチド→[腸液(ペプチダーゼ)]→アミノ酸

③脂質

中性脂肪(トリグリセライド)→[すい液(リパーゼ)]→モノグリセライド、脂肪酸