DNAとRNAの構造のちがいは?

問題

次のうちDNAにあってRNAにないものはどれでしょうか?全て選んでください。

①アデニン ②チミン ③グアニン ④シトシン ⑤デオキシリボース

解説

私たちは顔や目の色など1人1人さまざま性質が異なっていますが、これは1人1人遺伝情報が異なるためです。

そして、全ての生物は遺伝情報を「DNA」という物質の状態で持っています。

「DNA」とは「deoxyribonucleic acid, デオキシリボ核酸」の略です。

「DNA」は次のような構造をしています。

図のように「DNA」は2本の棒がねじれているような構造、いわゆる二重らせん構造」の形をとっています。

そして図をよくみると、「A」「T」「G」「C」のアルファベットが並んでいますね。

この「A」「T」「G」「C」は「塩基」であり、それぞれ「アデニン」「チミン」「グアニン」「シトシン」とよばれています。

遺伝子のことを「塩基配列」とよんでいるのを1度は聞いたことがありますね。

また「A(アデニン)」と「T(チミン)」、「G(グアニン)」と「C(シトシン)」がペアになっており、磁石の「S極」と「N極」のようにくっついています。

 

「DNA」の構造をさらに拡大してくわしくみると、次のような構造となっています。

リン酸に糖と塩基が1つずつくっついた構造となっており、この基本構造のことを「ヌクレオチド」とよびます。

糖は「デオキシリボース」という1種類で、塩基は先ほどの「A(アデニン)」「T(チミン)」「G(グアニン)」「C(シトシン)」の4種類があります。

すなわち、「DNA」は「4種類のヌクレオチドが無数につながり、ペアとなる2種類の塩基同士が向かい合ってくっつく」ことで、あの独特な「二重らせん構造」をとっているのです。

 

一方の「RNA(ribonucleic acid, リボ核酸)」はDNAの遺伝情報をもとにタンパク質を合成するときにはたらきます。

「RNA」も「DNA」と同様にヌクレオチドがつながってできているのですが、「DNA」とは異なる点もあります。

まず、「RNA」は基本的には「1本鎖」の状態で存在しており、「二重らせん構造」はとりません。

また、「RNA」の「ヌクレオチド」は、糖が「デオキシリボース」ではなく「リボース」です。

そして、塩基は「T(チミン)」が存在せず、かわりに「U(ウラシル)」という塩基が存在します。

つまり、「RNA」を構成する塩基は「A(アデニン)」「U(ウラシル)」「G(グアニン)」「C(シトシン)」の4種類であり、「A(アデニン)」と「U(ウラシル)」「G(グアニン)」と「C(シトシン)」がそれぞれペアになっています。

 

以上から、DNAにあってRNAにないものは②チミン ⑤デオキシリボースの2つとなります。

解答

②チミン ⑤デオキシリボース