何のために英語を勉強するの?
中学校、高校(現在は小学校から)と英語を勉強しているのに、全然英語を使えるようにならないことは以前から問題視されています。
一方で、日本で過ごしていて英語を話せないことで困ることはほとんどありません。
それでは一体何のために英語を勉強する必要があるのでしょうか?
文部科学省の外国語の指導要領を引用すると、「外国語によるコミュニケーションにおける見方・考え方を働かせ、外国語による聞くこと、読むこと、話すこと、書くことの言語活動を通して,簡単な情報や考えなどを理解したり表現したり伝え合ったりするコミュニケー ションを図る資質・能力を育成することを目指す。」とされています。
実際のところ、英語を「全く必要ない」と考えているひとはさすがに少ないと思います。
英語は世界共通語です。英語を母国語とするひとだけで4億人おり、第2言語とするひとを含めると20億人以上となります。
国際化がすすむ現代社会では、今後仕事でも英語を使う機会は多くあります。
「英語を話せなければ仕事が成りたたない」状況も起こります。
また、将来どの分野の学問を勉強するときにも、必ず英語を使います。
なぜならば、専門的な内容を勉強するとき、教科書に載っている知識は最新ではないからです。
最新の知識を得るためには論文を読む必要があるのですが、大半の論文は英語で書かれているのです。
もちろん自分で論文を書くときも英語を使います。
ところで、すでにお話ししたよう英語には「読む」「書く」「聞く」「話す」の4つの能力があります。
以前から日本人はこのうち「聞く」と「話す」が苦手と言われています。
日本人のこのような傾向を変えるために、近年では英語の授業でも「聞く」「話す」に重点を置くようになりました。
実際、英語でコミュニケーションできるひとは今後より一層必要とされます。
近年では翻訳機の発達も著しいですが、旅行などでは良いと思いますが仕事となると話は別です。
「共通の言語でコミュニケーションできる」ことは信頼関係を築く上でとても重要なのです。
例えば、あなたが言葉の通じない海外を旅行しているときに突然お腹が痛くなったとします。
さて、あなたは「翻訳機片手に話を聞いてくれる医師」と「日本語で話を聞いてくれる医師」のどちらに診てほしいですか?
やはり言葉が通じる医師の方が安心できますよね。
また、外国人のアスリートがインタビューを受けたときに、最後だけでも日本語で「アリガトウゴザイマシタ」と言ってくれるだけで、なんだかうれしくなって次も応援したくなりますよね。
同じように、商談など仕事で海外へ行ったときに、通訳さんや翻訳機を介するのと、その国の言語でコミュニケーションがとれるのとでは、どちらがうまくいきやすいかは明らかですね。
また、「情報を正しく知る」という意味においても外国語の勉強は有益です。
「ことば」というのはどうしても国によってニュアンスが変わります。
間に「翻訳者」が入るとそのニュアンスが正しく伝わらないことがあります。
例えば、「ある国の大統領が日本との貿易摩擦について懸念を示した」というニュースがあるとして、よくよくもとの発言を調べてみると「懸念を示す」どころではなく「かんかんに怒っていた」といったことが起こります。
さらに外国語を勉強すると、その国の文化や背景を知ることができます。
例えば、外国人が前を見ずにぶつかってきてあなたのかばんが壊れてしまったとします。
明らかに外国人に非がある状況ですが、あなたが相手を気遣って「ごめんなさい。大丈夫ですか?」と声をかけたら、「『ごめんなさい』ってことはお前が悪かったのか!それなら俺は弁償しなくてもいいよな!」となってしまうことがあります。
これは、「自分が悪くなくても礼儀として自分も謝り相手を気遣う」という日本の文化と、「非がある方だけが謝る」というその外国人の国の文化の違いによって起こってしまいます。
話す相手の文化や背景を知っていることで、はじめてコミュニケーションは成立するのです。
まとめ
翻訳機などの技術が発達しても、英語でコミュニケーションできることはやはり重要!