子どもをのばすしかり方とは?

Q、4歳の子どもが何度しかってもいうことを聞きません。

    何かいい方法はありますか?

「〇〇してはだめ」は小さい子には難しい

いきなりですが今から30秒間、絶対にパンダのことだけは考えないでください。

 

 

どうでしょうか?パンダのことが気になって仕方なくなりますね。

禁止されると、大人でも逆にそのことを意識してしまいます。

子どもではこの傾向はより強く、特に未就学の子では「〇〇しないで」としかると、よりしたくなってしまい逆効果になってしまいます。

4~6歳の子にさまざまな図形から特定の図形を選ばせる実験を行ったところ、

「赤い三角を選んで」のような指示をした場合、ほとんどの子ができましたが、

「青い丸と違うものを選んで」のような指示したところ4歳児では半分以下の子しか正解できなかった

という研究結果があります。

つまり、未就学児は「〇〇しないで」といういわゆる「否定語」を理解するのが苦手なのです。

否定語は肯定語にいいかえる!

それではどのようにしかるのが効果的なのでしょうか?

それは「肯定語でしかる」ことです。

「ここでさわがないでね」は「ここでは静かにしてね」、「走らないでね」は「ゆっくり歩こうね」のように言いかえることで子どもにも理解しやすくなります。

また、しかるとき以外や否定語が理解できるようになってからも、なるべく否定語のかわりに肯定語で声をかけてあげることがおすすめです。

小さい子どもじゃなくでも否定語よりも肯定語で伝えられた方が受け止めやすくなりますよね。

 

罪悪感や羞恥心をあおるような声かけをされて育った子は自己肯定感が低くなり、満足感や幸福感を感じにくくなると言われています。

例えば、「もっとがんばらないと失敗しちゃうよ」は「もっとがんばった方がうまくいくと思うよ」へ、

「こんなこともできなかったらみんなに笑われちゃうよ」は

「これができたらみんなびっくりしちゃうね」へ、

「できなかったね」は「あと少しだったね」

のように言いかえます。

大人の声かけ次第で、子どものものごとへの取り組み方も大きく変わります。

 

ただし、「しても良いこと、してはいけないこと」という考え方ができ始めるのは1歳~1歳半ごろと言われています。

したがって1歳未満の子に対しては肯定語でしかったとしても理解できません。

理解できない時期にしかられると恐怖や不安だけを感じてしまいます。

「食事中は座って食べる」などしつけを始めるのは、早くても1歳以降がおすすめです。

 

別記事で「後輩や部下をのばすしかり方」についても紹介していますので、興味をもっていただいた方はぜひご覧になってください。

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まとめ

・〇〇してはダメは未就学児には理解しにくい

・否定語は肯定語にいいかえる