③問題点を明確にする
つづいて「ミスや失敗の問題点を明確にして伝える」ことです。
「しかる」目的の1つは、「同じミスをくりかえさない」ことです。
そのためには、「ミスや失敗の何が問題であったか?」を本人に理解してもらう必要があります。
例えば、「なぜ遅刻をしてはいけないか?」の直接的な理由は「集合時間は守らなければならないというルールがあるから」です。
しかし、これは本質的な理由ではありません。
この理由で止まってしまうと、「ルールにないことなら何をしてもいい」という発想につながりかねません。
より本質的な「遅刻をしていけない」理由は、「その後の予定がくずれ、他の人に迷惑がかかってしまうから」です。
このように本質的に問題点を考えれば、「遅刻以外でもみんなの予定に影響するような行動はしないようにする」
あるいは、「その後の予定がくずれない範囲で、いつも遊んでいる友達などもともとの関係性によっては多少の遅刻は許させる場合もある」
のように応用することも可能です。
つづいて、「なぜミスが起こってしまったか」について具体的な原因を明確にします。
遅刻の例では、「目覚まし時計をかけ忘れてねぼうしてしまった」「乗りかえのとき迷って1本遅れてしまった」などです。
本質的かつ具体的な問題点を明らかにすることにより、より効果的な再発予防策を考えることができます。
④再発予防の方法を相談する
ミスの具体的な原因がわかれば、あとは「同じミスをくりかえさない」方法を考えます。
これはまず本人に考えてもらいます。
その上で「その方法で同じミスをくりかえさないか?」「現実的につづけられそうか?」を評価し、本人と話し合いながら修正します。
例えば、遅刻の原因が「目覚まし時計をかけ忘れてねぼうしてしまった」ならば「夕食後すぐに目覚まし時計をセットすることを習慣化する」、「乗りかえのとき迷って1本遅れてしまった」ならば「1本遅れても間に合うルートで時刻表を確認しておく」などの改善策は効果的です。
一方で、「予想外のことが起こっても遅刻しないように集合時間1時間前には到着するように出発する」のような方法は継続するが難しそうですね。
⑤良かった部分を伝える
つづいて「良かった部分を伝える」です。
結果的にはミスや失敗であっても、意図的でない限り「行動の全てが間違っていた」なんてことはそうそうありません。
良かった部分は良かったと伝え、それは継続してもらった方がいいですね。
例えば「遅刻はしたけど、遅れることがわかった時点ですぐに連絡してくれたことは良かった」「すぐにメンバー1人1人に謝りにいったことは良かった」などです。
良かった点をきちんと認めてもらったことで、より前向きに問題点を受け止めやすくなります。
⑥期待していることを伝える
さいごに「期待していること」「どのようになってほしいか」を伝えます。
くりかえしになりますが「しかる」という行為は「しかる」相手のためのものです。
しかった結果、考え方や行動を改善してもらいたいから「しかる」のです。
そこで、さいごに必ずしかった意図を伝えます。
「メンバーのことを考え行動できるようになってほしい」「後輩ができたときにお手本になり尊敬される先輩になってほしい」「あなたならできると私は期待している」などように伝えるのです。
しかった意図が伝われば、「怒られた」のではなく「しかられた」とより受け止めやすくなります。
感情的にならない
この記事のさいごに具体的なしかり方ではありませんが「しかる」ときの注意点を3つ紹介します。
1つめが「感情的にならない」ことです。
どなったり、怒りをぶつけてしまえばそれ以降「しかる」ことによる効果は期待できません。
感情的に言われると、自分も感情的になるのが人間です。
感情VS感情では、動物のけんかと同じになってしまいます。
激怒したくなるような内容でも、ぐっとこらえてあくまで人間同士のまま冷静に話してください。
1対1で話す
「しかる」ときは1対1が原則です。
第三者がいる場ではしからないことをおすすめします。
しかる相手のプライドをに配慮するという意味も重要ですが、1対1でないと冷静に考えられなくなる可能性が高いからです。
周りの目があると、どうしても話す内容やどう見られているかが気になってしまいます。
すると、本質的な問題点や改善点などを冷静に考えたり、話し合うことが難しくなります。
「しかる」ときは原則1対1、最低でも第三者に話の内容が聞こえない状況で話すことをおすすめします。
もちろん、複数人で1人を問いつめるのは論外です。
暴力は絶対にしない
言うまでもありませんが、手をあげてはいけません。絶対にだめです。
最近では少ないとは思いますが、特に運動部などでは「教育」の名のもと先輩や教師からの体罰は少なくありませんでした。
私の時代の医学部の部活でさえそのような話は聞きました。
体罰は暴力であり犯罪です。いかなる状況でも許されるべきではありません。
押したり、おしりをける程度でも暴力は暴力です。
「暴力」は「教育」などでは決してありません。
どんなに腹が立っても手をあげてしまえば全て終わりです。
以上、今回は「後輩や部下をのばすしかり方」を紹介しました。
「ほめる」「しかる」をうまく使い分けることにより相手だけでなく自分も大きく成長することができます。
ぜひ試してみてください。
また、子どもをしかるときも大切な点は大きく変わりません。
もちろん子どもの年齢により声のかけ方を変える必要はあります。
「子どものしかり方」にも興味をもっていただいた方は以下の記事もご覧になってください。
Q、4歳の子どもが何度しかってもいうことを聞きません。 何かいい方法はありますか?「〇〇してはだめ」は小さい子には難しいいきなりですが今から30秒間、絶対にパンダのことだけは考えないでください。 […]
まとめ
「後輩や部下をのばすしかり方」
①事実関係を確認する
②ミスや失敗を3つの種類に分ける
1、防ぐことが可能であったミスあるいは自分の利益を優先させたことによるミス
2、予測することが不可能あるいは困難であったミス
3、良かれと思って行動した結果、起こってしまったミス
③問題点を明確にする
④再発予防の方法を相談する
⑤良かった部分を伝える
⑥期待していることを伝える
・あくまで相手のために「しかる」
・ミスや失敗は誰でもすることを忘れない
・感情的にならない
・1対1で話す
・暴力は絶対にしない
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