不安と上手につきあう方法とは?

  • 2021年8月23日
  • 2021年12月4日
  • 思考法
  • 214回
  • 0件

Q、ささいなことをきっかけに不安を感じてしまい他のことが手につかなくなってしまいます。

  不安をなくす方法はありますか?

 

不安ってやっかいですよね。

呼んでもいないのに突然現れて、なかなかいなくなってくれない。

その上、私たちの楽しい気持ちや集中力をうばっていく。

「次のテストで悪い点を取ったらどうしよう」

「行きたい大学にいけなかったらどうしよう」

「自分や家族が大きな病気になったらどうしよう」

「家のかぎをかけわすれたかもしれない」

「大きな地震が来たらどうしよう」

「来月の旅行で雨が降ったらどうしよう」

などなど、私たちの周りは不安の種であふれています。

 

不安の感じ方は人それぞれなので同じ状況でも不安を感じる人もいれば感じない人もいます。

そして不安におちいりやすい人は、しばしば生きづらさを感じてしまいます。

私自身も非常に不安におちいりやすい性格で、ささいなことに対しても不安を感じてしまいます。

正直不安を感じにくい人がうらやましく、この性格を直したいと思ったことは1度や2度ではありません。

 

先に申し上げておくと、残念ながら不安自体は完全になくすことはできません。

なぜならば、不安は私たちが生きていく上で必要なものだからです。

しかし、少し考え方を変えると少しですが不安と付き合いやすくなり、不安も悪いことばかりではないと思えるようになります。

本日はその方法を紹介します。

不安は何のために存在する?

不安の悪い面だけでなく、良い面にも目をむけてみましょう。

それは「不安は未来からの警告」だと考えることです。

「不安」は、確実ではないけど未来に起こるかもしれない危険をあらかじめ教えてくれているのです。

私が最も好きなゲームに「ビジョン」という能力が登場します。

敵とバトルをしていると、突然画面が切り替わり数十秒後の未来の映像が流れるのです。

「このままだと数十秒後に大ダメージを受けて戦闘不能になってしまう」など悪い未来が起こる場合に自動的に教えてくれます。

そこでプレイヤーは敵から離れて攻撃を避けたり、防御力を高めたり、HP(ヒットポイント)を回復することでその危機を回避することができます。

 

私はプレイしながら「これだ!」と思いました。

「不安」はまさにこれと同じ現象なのです。

「不安」があらかじめ危険を教えてくれているのです。

私たちはその危険を回避する行動をとることができます。

例えば、

「このままだと志望校に行けないかもしれない」と不安を感じるからこそ、一生けん命勉強することができます。

「家のかぎをかけ忘れたかもしれない」と不安を感じるからこそ、もどってかぎがかかっているかを確認することができます。

「みえないところから急に車が出てくるかもしれない」と不安を感じるからこそ、飛び出さず事故を防ぐことができます。

 

つまり、「不安」は起こりうる危険を警告することで、私たちを守ってくれているのです。

先ほど「不安は生きる上で必要」と申し上げた理由をわかっていただけたと思います。

不安を感じやすい人にとっては、不安を感じにくい人がうらやましくなることがあると思いますが、

「不安を感じやすい人」はいいかえると「危険を予測しやすい人」であり、危険を回避できる可能性が高いのです。

「不安」を感じたら、その「不安」がどのような危険を教えてくれているかを考え、「いつも守ってくれてありがとう」と感謝することをおすすめします。

そのように考えると、不安を感じやすい性格も悪くない気がしてきませんか?

とはいえ、不安が多く、強すぎると心への負担が大きいですし、不安にとらわれすぎるとすべきことも手につかなくなるおそれがあります。

そこで、つづいて「不安と上手に付き合う方法」について紹介します。

不安と上手に付き合う方法①:不安の正体について論理的に考える

1つめが「不安の正体について論理的に考える」ことです。

そしてそのためには「不安についての客観的事実を調べる」ことが必要です。

例えば来月沖縄旅行に行くことになったとします。

実はあなたは飛行機に乗るのがはじめてです。

すると急に「飛行機が墜落したらどうしよう」「よく考えればあんな大きな金属のかたまりが空を飛ぶとか無理がある」「自動車とフェリーで行った方が安全かも」と不安になってしまいました。

この不安を完全に否定することはできません。

実際過去に世界中で飛行機の墜落事故は起こっています。

飛行機事故に遭わない確実な方法は飛行機に乗らないことですが、飛行機以外の手段で海外旅行に行くのは現実的ではありません。

そこで、客観的な事実を調べることにより漠然とした不安を軽減できる場合があります。

インターネットで調べてみると、アメリカの国家運輸安全員会の調査で航空機に搭乗して墜落事故に遭遇する確率は0.0009%でした。

つまり、10万回乗ってして1回未満という計算になります。

対して自動車は0.03%で数値上は航空機よりも33倍以上リスクが高いという結果でした。

もちろん、この数値をみても強い不安があれば旅行はあきらめるしかありませんが、少なくとも「自動車で行った方が安全」とはいえませんね。

不安と上手に付き合う方法②:不安の連鎖を途中で止める

2つめが「不安の連鎖を途中で止める」です。

不安の連鎖はものごとを論理的に考える習慣がある人ほど陥ってしまいがちで、私も日常的にしまいます。

例えば、

「自宅のかぎをかけ忘れたかも」という不安がうかんだとします。

すると

「自宅のかぎをかけ忘れた」⇒「空き巣に入られるかもしれない」

と考えることができます。

ここで終わらず、

「自宅のかぎをかけ忘れた」⇒「空き巣に入られるかもしれない」

⇒「空き巣に通帳や印鑑を盗まれるかもしれない」

⇒「盗まれた家の貯金を全て引き出されるかもしれない」

⇒「貯金が無くなって学校の授業料が払えなくなるかもしれない」

⇒「学校をやめなければならないかもしれない」

のように悪い方へ悪い方へストーリーをつなげてしまうのです。

そして、不安が雪だるまのようにふくらみ押しつぶされそうになってしまいます。

冷静にみれば後半になるほど確率は低く、いわゆる「考えすぎ」なのですが不安を感じやすい人は共感していただけると思います。

おすすめの対処法は「意図的に連鎖を止める」ことです。

「自宅のかぎをかけ忘れた」⇒「空き巣に入られるかもしれない」までで止めて、「家に引き返してかぎを確認した方がいいか?」の判断をしてしまうのです。

そのためには、連鎖を止めたところまでについてのみ論理的に考え、判断してしまうのです。

どんなに考えても最終的な結論は「家に引き返す」「引き返さない」の2択なのですから。

不安と上手に付き合う方法③:とりあえず行動してみる

3つめは「とりあえず行動してみる」ことです。

私もそうですが、不安を感じやすい人ほどなぜか不安なことを探す傾向にあります。

考えはじめると不安を連鎖させてしまうだけでなく、ささいなことをきっかけに新しい不安をつくりだしてしまいます。

まるで無意識に不安を求めているかのようです。

そこでおすすめの方法は「実際に行動してみる」ことです。

いくら考え続けても実際に行動してみなければ結果はわかりません。

また、関係のないことでも行動して集中することで、ささいな不安を忘れたり、軽減する効果も期待できます。

不安が膨らみすぎたときは、考えることを一旦止めで「確実にしなければならないこと」から実際に手を動かして始めてみることをおすすめします。

 

くりかえしになりますが、不安は未来からの警告であり、生きるために必要なものです。

上手く付き合うことによりあなたの人生にとってきっとプラスになると思います。

まとめ

・「不安」は「未来からの警告」と考える!

・不安を感じたらその意味を考え、危険を回避するための手がかりにしよう!

 

「不安と上手に付き合う方法」

①不安の正体について論理的に考える

②不安の連鎖を途中で止める

③とりあえず行動してみる