アイデアがひらめく!「発想力」を鍛えるトレーニング法とは?

Q、新しいアイデアをどんどん思いつく人がうらやましいです。

  発想力を鍛える方法はありますか?

 

発想力とは?

「発想力」とは、ひとことでいうと「アイデアを生み出す力」のことです。

仕事で新商品や新企画を考えるときなどはもちろん、さまざまな問題に直面したときに適切に対応する方法を考えるときにも必要な力です。

すなわち、近年重要性が注目されている「問題解決能力」や「論理的思考力」とも重なる部分が多い力です。

社会人になってからは、小学校~大学までのテストや入試で求められることが多い「知識をインプット、アウトプットする能力」や「与えられた課題や問題を解く力」よりも、「問題解決能力」や「発想力」、「コミュニケーション能力」などの力が求められる場面も多くなります。

「お勉強」が得意で名門大学に合格し成績優秀で卒業した人でも、これらの能力が低ければ就職して仕事を始めた途端にうまくいかないことが多くなったり、活躍できない場合も少なくありません。

 

これらの能力は簡単に身につくものではありませんが、鍛える方法があるならば実践したいですね。

そこで今回は、「発想力を鍛えるトレーニング法」を紹介します。

発想力を鍛える方法①:幅広い情報や知識を手に入れる

誤解を招かないように申し上げておくと、入試や定期テストで求められる「知識をインプット、アウトプットする能力」や「与えられた課題や問題を解く力」を否定したり、軽視しているわけではありません。

今以上に人工知能(AI)が発達したとしても「知識をインプット、アウトプットする能力」の価値がなくなることはおそらくありません。

また、どの職業についても「与えられた仕事を確実にこなす」力は求められますし、むしろ「発想力」が求められる場面よりも圧倒的に多いです。

しかし、「与えられた仕事」「求められている役割」をきっちりとこなした上で、「発想力」を活かせばさらに大きな結果を出すことも可能です。

 

さて、本題ですが、発想力を消える方法の1つめは「幅広い情報や知識を手に入れる」ことです。

新しい発想はさまざまな知識を身につけたり、既存のモノを深く知れば知るほどひらめきやすくなります。

例えば、「飛行機」や「ヘリコプター」などとは異なる新しい空飛ぶ乗り物を発明したいとします。

しかし、残念ながらこれを私がいくら悩んで考えてもおそらく永遠にアイデアは思いつきません。

なぜなら、私は「『どうすれば物体が空を飛べるか?』を知らないから」です。

全くのゼロから新しいモノを生み出すことは一部の天才にしかできません。

もし私が「新しい空飛ぶ乗り物」のアイデアを思いつくとすれば、

「重力に抗って飛ぶためには何が必要か?」や「飛行機やヘリコプターが飛ぶしくみ」、その他関連する知識を深く身につけた上で、

「飛行機やヘリコプターが飛ぶ原理を応用できないか?」や「これまで飛ぶためには使われていていなかった技術を利用できないか?」、「鳥や昆虫が空を飛べる原理をこれまでとちがう形で応用できないか?」

などを考えることではじめて可能性がでてきます。

 

このように、さまざま分野の知識を広く、深く身につけることで、新しい発想は生まれやすくなります。

入試や定期テストで求められる「知識をインプット、アウトプットする能力」や「与えられた課題や問題を解く力」だけでは不十分ですが、

新しい発想を生み出すための下地、基礎としてはむしろ不可欠ともいえます。

スポーツやゲームにおいてルールを深く知ることで新しい戦術や裏ワザ的な方法を思いつくことができるのと同じです。

これまで勉強してきた分野にとらわれず、さまざまな分野の知識や考え方を身につけることがはじめの一歩です。

発想力を鍛える方法②:問題点(プロブレム)を明らかにする

これは問題解決能力とも大きく関わりますが、問題点(プロブレム)を明確にすることで新しい発想は生まれやすくなります。

 

例えば、あるラーメン屋さんが赤字になってしまったとします。

もちろん1番のプロブレムは「赤字に転落したこと」であり「黒字の状態にもどす」アイデアを考える必要があります。

このとき「赤字に転落した」理由が「売上が減った」からなのか「支出が増えた」からなのかによってとるべき対策が変わります。

もし「売上が減ったこと」が原因であれば、「売上を増やす」ために「来店するお客さんの数を増やす」「お客さん1人が使う金額を増やす」などの方法を考えればよいですね。

すると、「来店するお客さんの数を増やす方法」として「ラーメンの味を改良する」「広告を拡大する」「これまであまり来なかった層が来店しやすいよう店内の配置や内装を変える」などのアイデアが思いつきます。

あるいは、「お客さん1人が使う金額を増やす方法」として「値上げをする」「サイドメニューを増やす」などのアイデアが思いつきます。

もちろんアイデアが思いついたら、そのアイデアが「本当に効果的か?」「実現可能か?」などをしっかり検討する必要はありますが、それは次の段階の話です。

まずは、「問題点を明確にし、細かく分ける」ことで新しい発想が生まれやすくなります。

発想力を鍛える方法③:視点を変えて考える

同じモノ、同じことがらでも視点を変えて考えてみることで新しい発想につながりやすくなります。

具体的な方法の1つとして「長所と短所に着目する」ことをおすすめします。

長所と短所は表裏一体です。

例えば、「心配性で新しいチャレンジを避ける」という性格は一般的には短所ですね。

しかし、「ものごとを慎重に考える」性格と考えれば、「事前に失敗を予測しやすく、失敗の可能性が低くなる」という良い面もあります。

そこで、「あらかじめ失敗する可能性やリスクをしっかりと評価できる」という良い面を残しつつ、「今よりも新しいチャレンジをしやすくなる」ように考え方を工夫すれば、いいとこどりすることができます。

 

発想力の話にもどります。

例えば、新しい鉛筆を開発したいとします。

あなたならどんな鉛筆をつくりますか?

ここで、もともとの鉛筆の長所と短所を書きだすのです。

例えば長所と短所を1つずつあげると、長所は「間違えて書いても消せること」で、短所は「細くてにぎりにくいこと」などが挙げられます。

 

長所については、その長所を活かし、さらに裏返しの短所を考えます。

「間違って書いても消せる」をいう長所をさらに活かせば、「消しゴムで消しても書いたあとがほとんど残らない鉛筆」や「消しゴムを持っていなくても消せる鉛筆」などのアイデアが生まれます。

その一方で、「間違って書いても消せる」という長所は、裏を返すと「書いても消されてしまう可能性がある」という短所にもなりえます。

すると逆に「消しゴムで消せない鉛筆」という発想も可能です。

 

短所については、その短所を改善し、さらに裏返しの長所を考えます。

「細くてにぎりにくい」という短所を改善すれば「太くてにぎりやすい鉛筆」というアイデアが生まれます。

その一方で「細くてにぎりにくい」という短所は、「細いから場所を取らない」と考えることもできます。

すると、さらに細くすることで「細すぎて手帳やノートにはさんでも厚みが気にならない鉛筆」という発想が可能です。

 

長所や短所だけでなく、角度を変えてものごとをみたり考えたりすることで、これまでとは異なる発想が出やすくなります。

ぜひ試してみてください。

発想力を鍛える方法④:2つのアイデアを組み合わせる

ゼロから新しいものを生み出せなくても、すでに存在する2つのものを組み合わせることで「新しい発想」となる場合もあります。

 

例えば、鉛筆と消しゴムを組み合わせて「消しゴムつきの鉛筆」にすると、別々に持ち歩く必要がなくなります。

あるいは、「本屋さん」と「カフェ」を組み合わせて併設することにより、本を購入して移動することなくそのままコーヒーを飲むことができます。

このように、それぞれの特徴を活かして相乗効果や付加価値が得られるような相性の良い組み合わせをみつけることができれば、それは「新しい発想」となります。

もちろん「消しゴムつきのボールペン」や「書店と居酒屋の併設」など相性が良いとはいえない組み合わせでは付加価値を生みませんので注意が必要です。

「2つのものを組み合わせる方法」は考えるだけならハードルは高くないためおすすめです。

発想力を鍛える方法⑤:別の分野の方法を応用する

ある分野では当たり前のように使われている理論や方法を別の分野で応用することで、新しい発想が生まれる場合もあります。

「部活のマネージャーがビジネス書を読んでそれを応用する」のと同じ発想ですね。

 

例えば、コロナ禍で私たちは店内で食べるイートインの飲食店を利用する機会が減りました。

その一方で、テイクアウトやデリバリーの需要はむしろ高まりました。

これまではテイクアウトといればファストフードやお弁当、デリバリーといえばピザやお寿司などいわゆる「定番」のものがある程度決まっていました。

しかし、テイクアウトやデリバリーの需要の増加に伴い、これまでは店内で食べるのが当たり前だった料理も次々とテイクアウトやデリバリーできるようになっています。

また、料理だけでなく「お酒のデリバリーサービス」などもすでに存在します。

さらに付加価値をつけ、「ワインとそれに最も合うチーズをソムリエが厳選して届けてくれるサービス」なども可能かもしれません。(すでにありましたら確認不足ですみません)

飲食店に限らず、これまで「店舗で提供する」ことが常識であったサービスも、「テイクアウト化」「デリバリー化」がすすむかもしれません。

「よく考えればこのサービスはデリバリーでも可能」「このサービスは店舗を構える必要がない」というものが思いつけば、それは新しいビジネスモデルとなるかもしれません。

職種によっては法律上出張が認められないサービスもあるので注意が必要ですが。

 

まずは、「自分がくわしい分野では常識になっていることを他の分野で利用できないか?」や、反対に「他の分野では当たり前のように行われていることを自分の専門分野に適用できないか?」をぜひ考えてみてください。

もしかしたらそれだけで「革新的なアイデア」に化けるかもしれません。