まちがった情報にだまされにくくなる方法とは?

  • 2021年10月13日
  • 2021年10月14日
  • 思考法
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Q、テレビやインターネットをみたときどの情報を信用していいかわかりません。

  言っていることが正反対のこともあり、まちがった情報にだまされないか心配です。

  何かいい方法はありますか?

 

まちがった情報にだまされにくくなる方法とは?

いまの時代、本やテレビだけでなく、インターネットを利用することで速やかに大量の情報を得ることができます。

その一方でインターネット上にはまちがった情報も多く含まれています。

そこで、従来以上に「まちがった情報にだまされない」ように気をつける必要があります。

しかし、「〇〇を食べるとがんになる」「〇〇年にこれまでにない大災害が来る」「〇〇が品薄になって買えなくなる」など、不安をあおるような情報はたとえ信ぴょう性が低くても気になってしまいますね。

 

それでは、「まちがった情報にだまされない」ためにはどうすればいいのでしょうか?

それは「情報の信頼性を正しく判断する」ことです。

「その情報は事実なのか?」「正反対のことを言っている2つの情報のうちどちらが正しいのか?」を判断できるようになれば、まちがった情報にだまされにくくなるだけでなく、世の中にあふれる膨大な情報から自分に必要な情報だけを選び取りやすくもなります。

また、会話で相手の矛盾やまちがいに気づきやすくなったり、議論に強くなったり、さらには詐欺などにだまされにくくもなります。

 

そこで今回は「情報の信頼性を判断する力を身につける」方法をいくつか紹介します。

レベル別に5段階で紹介しますので、実践できそうなところまで試してみてください。

情報の正しさを判断する方法:レベル1「情報源(ソース)を確認する」

まず、1段階目は「情報源(ソース)を確認する」です。

これは全ての方に実践していただきたいことです。

 

例えばインターネットで「毎日〇〇を食べるとがんのリスクが低下する」という記事をみつけたとします。

もっともらしい内容だったとしても、これが「匿名の自称健康アドバイザーのブログ」と「大学公式の発表」では信頼性が全く異なりますね。

匿名でも情報を発信できることはインターネットの大きなメリットでもありますが、匿名の方が責任は低くなるため当然まちがった情報の数も多くなります。

 

反対に大学や公的機関が公式に発表しているものや、所属や実名入りで書かれている記事はより大きな責任を伴いますし、きちんとした手順で調べられているため信頼性は高くなります。

もちろん、匿名の記事もしっかりと調べて書かれているものもありますし、実名で書かれていてもまちがっていることはめずらしくありません。

しかし、自分で情報の正しさを判断する自信がなければ、まずは大学や公的機関が発表している情報やそれを引用している記事のみ信用することで大きなまちがいは防ぐことができます。

自称現役医師で匿名ブログを書いている私がこのようなことをいうのは正直どうかと自分でも思いますが。(この場で証明はできませんが私が本物の医師であることはあらためて強調しておきます。)

情報の正しさを判断する方法:レベル2「客観的事実を確認する」

つづいて「客観的事実を確認する」です。

ある情報が「事実」なのか「個人の考え」なのかをきっちり切り分けず混同してしまうと大きなまちがいの原因となります。

 

例えば「高齢者による犯罪が10年前と比べて増加しており、高齢者の攻撃性が高くなったことが問題となっている」という記事があったとします。

仮に「高齢者による犯罪が10年前よりも増えている」が「事実」であるとしても「高齢者の攻撃性が高くなったことが問題となっている」は「事実」とは限りません。

犯罪件数は統計として数字で表すことができるため、そのようなデータがあれば「客観的事実」となりますが、「攻撃性の高さ」はどのように調べたのでしょうか?

もちろんきちんと研究が行われ「高齢者の攻撃性の上昇」が証明できていれば同じように「客観的事実」となりますが、「攻撃性の高さ」のように数値化できない要素を反論の余地のない「客観的事実」として示すことは容易ではありません。

また、仮に「高齢者の攻撃性の上昇」が証明できたとしても、それでもそれを犯罪の増加と直接結びつけることにはあらためて議論の余地があります。。

犯罪にはさまざまな種類があり必ずしも攻撃性が高いことによる犯罪ばかりではありませんし、そもそも高齢者の人数が10年前より増えているため絶対的な件数が増えるのは良く考えれば当然です。

さらに、この記事では「問題になっている」とまるで自分の意見ではないようにみせかけている点でも抜け目ないですね。

 

実際、「個人の意見」に説得力をもたせるために「客観的事実に自分の考えをうまく混ぜることで、あたかも全てが客観的事実のようにみせる」という手法はしばしばみられます。

相手を誘導するために意図的に行っている場合もありますが、無意識にこの手法を使ってしまっている場合もあり注意が必要です。

他にも「個人の意見」を「客観的事実」のようにみせかけるために

「〇〇なのは大前提として」「〇〇なのはもちろん」「〇〇という意見が圧倒的に多い」「ほとんどの人が思っている」「私の友人もみんな言っている」

のように大げさなことばを使ったり、確認がとれない第三者を出すことで「本当は議論や確認が必要なこと」を「議論や確認が必要ないくらい明らかな事実」のように表現する手法もよくみられます。

 

客観的事実であるかどうかは、具体的な数値や引用元を調べたり会話の相手に聞くことで確認することができます。

会話でも記事でも、知らない情報がでてきたときは「客観的事実」なのか「個人の意見」なのかを確認する習慣をつけることをおすすめします。

「大量の水でうすめたジュース」ような情報におどらされないようにしてください。