論説文では筆者の主張を読み取ろう!
論説文は、小説に比べてかた苦しくて読みにくいイメージがあるかもしれません。
しかし、文章の構造は小説よりむしろわかりやすいことが多いのです。
なぜなら、「筆者は自分の考えを理解してほしい」からです。
筆者は、自分の考え(主張)を読者に伝えるために論説文を書いているのです。
そして、その主張をより分かりやすく伝え、より説得力をもたせるために、さまざまな工夫をしています。
例えば、小学生の子が欲しいゲームソフトがあるとします。
単に「ゲームソフトを買ってほしい」といっても説得力がありません。
そこで、理由を加えて「なぜならこのゲームだけはどうしてもしたいからだ」とするとわずかですがさっきよりも説得力がでます。
さらに、「クラスのほとんどの友達が持っている」「このゲームさえできれば満足して勉強に集中できる」「実際にA君は毎日このゲームをやっているけど成績が上がった」など事実や具体例を入れることで説得力が増してきますね。
これと同じような仕組みで書かれているのが論説文です。
そこで論説文を読むときは「筆者が最も伝えたいことは何か?」を読み取ることを最優先に意識してみてください。
「筆者の主張」を読み取る練習をくりかえしていると、少しずつ「文章の構造」がみえてくるようになります。
筆者の主張は形を変えてくりかえす!
「筆者の主張」は本文中に何度も登場します。
「読者に自分の主張を理解してもらう」ことが論説文の目的なので、当たり前といえば当たり前ですね。
しかし、単に「私はこう思う!」とくりかえているだけでは説得力がなく、しつこいだけですね。
そこで、筆者の主張は「形を変えて」くりかえします。
言い回しを変えたり、表現を変えて何度も登場します。
例えば、「運動は健康を維持するために大切である」という主張は
「運動をすることは健康にとって有益である」
「健康を維持するためには運動は必要である」
「十分な運動をしないと、健康を維持できなくなる可能性がある」
などのように言いかえることができます。
言っている内容はどれも同じですね。
また、あえて自分の主張と異なる主張や正反対の主張を取り上げ、比べることによって自分の主張を強調するという方法もしばしば使われます。
100字要約をしてみよう!
筆者の主張を読み取れるようになるために効果的な練習法があります。
それが、「要約」です
要約とは「重要な部分だけ短くまとめること」です。
「この論説文の筆者って結局何が言いたいの?」と聞かれたときに、「筆者が言いたいのはこんなことだよ」と簡潔に答えられることが要約です。
おすすめは論説文の「100字要約」です。
実際にかいてみるとよくわかりますが、100字は思った以上に短いです。
余計なことを書く余裕はありません。
主張のくりかえしは合わせて1つしか書けません。
具体例や反対の意見も書けません。
100字要約をくりかえし練習すると、「結論」と呼べる「最も言いたいこと」を取り出すことができるようになります。
まとめ
・筆者は「何かを読者に伝えるため」に論説文を書いている!
・筆者の主張は形を変えてくりかえす!
・「筆者は結局何が言いたいのか?」を要約してみよう!