体細胞分裂後に短くなるものはどれ?

問題

次のうち体細胞分裂前後の細胞を比べると、短くなっているものはどれでしょうか?

①DNA    ②ミトコンドリア ③テロメア

解説

「体細胞分裂」はDNAが複製されてから2つの細胞に分かれる分裂であり、基本的にはもとと同じ細胞が2つできます。

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しかし、厳密にいうと分裂前と分裂後の細胞を比べると、異なる点も存在します。

それが「テロメアの長さ」です。

「DNAの末端」すなわち「染色体の末端」には「テロメア」とよばれる部分があります。

テロメアは大切な遺伝情報を保有するDNAの外側に位置しており、DNAを保護するはたらきがあるといわれています。

テロメアは塩基配列で表すと「TTAGGG」がくりかえされています。

細胞分裂ごとにこの「くりかえし」の数が減っていく、すなわち細胞分裂のたびにテロメアは短くなります。

 

靴底がすり減っていくようにテロメアが短くなっていき、テロメアが短くなりすぎると最終的に大切なDNAの部分がむき出しになってしまいます。

そして、テロメアが短くなりすぎると、それ以上体細胞分裂ができなくなってしまうのです。

つまり細胞にも寿命があり、またこのしくみが個体の「老化」や「寿命」にも関わっているのではないかといわれています。

 

しかし、例外も存在します。

特定の細胞は、テロメラーゼどいう酵素をもっており、なんと「テロメア」をのばすことができるのです。

すると、「テロメア」が短くならないので、無限に細胞分裂を行うことができます。

ある意味最強の細胞ですね。

そして、その細胞が「がん細胞」です。

「がん細胞」はテロメアを伸ばしながら半永久的に細胞分裂を続けることができるので、増殖し続け腫瘍を形成するため正常な組織を圧迫してしまうのです。

 

以上から、正解は③テロメアとなります。

解答

③テロメア