1日につくられる尿の量は何リットル?

問題

1日につくられる尿の量は何リットルでしょうか?最も近いものを以下の中から選んでください。

①1.4L ②14L ③140L

解説

私たちは毎日「尿」すなわち「おしっこ」をします。

一体何のために尿を出すのでしょうか?

尿の役割は「からだの中の余分な水分や老廃物をからだの外に追い出すこと」です。

他にも「体内をアルカリ性に保つ」「体内の塩分(電解質)濃度を一定に保つ」という役割もあります。

正常に尿をつくり排泄することができなければ、体内の水分量が過剰になったり、有害な物質が体内にたまってしまいます。

尿は「腎臓」という臓器でつくられ、「膀胱」という臓器で貯められ排泄されます。

 

さて、成人では平均的には1日1000~1500mLの尿を排泄するため、答えは①1.4Lが最も近い数値となります。

しかし、実はこの問題は不適切問題でした。

最終的に「尿」として排泄されるのは1000~1500mLですが、「原尿」という「尿」のもとになるものは血液を材料に腎臓で1日約140Lつくられます

そして、「原尿」のうち99%以上は排泄されずに、再び吸収されるのです。

つまり「つくられる尿」を「つくられる原尿」と解釈すれば、③140Lも正解といえます。

 

ところで、1日1~1.5Lの尿をつくるために、なぜ約140Lもの原尿がつくられるのでしょうか?

結局原尿のほとんどが再び吸収されるのではっきりいって非効率にみえますね。

しかし、「いったん全て排出して必要なものだけ回収(再吸収)する」方が実は効率的かつ安全性が高いのです。

例えば、机の引き出しの中を整理して不要なものだけを捨てたいとします。

このとき、不要なものだけを選ぼうとすると、全て選びきれず不要なものを見逃がしてしまうかもしれません。

そこで、いったん全てのものを引き出しから取り出して必要なものだけを再び引き出しに戻せば、不要なものがまぎれこむ心配がなくなりますね。

尿をつくるしくみも同じで、血液中の液体部分を原尿としていったん血管の外に出し、必要なものだけ再吸収する方式の方が、有害な物質が体内に残ってしまうリスクが少なくなるのです。

また、この方式では不要なものは回収しなければ良いだけなので、「未知の有害物質にも対応できる」というメリットもあります。

実に理にかなったシステムですね。

解答

①1.4L (原尿という意味では③140Lも正解)